はるか昔。
まだ人類に知恵は乏しく、
魔法が魔法として確立していない時代のお話。
一人の心優しい少女がいました。
彼女は後に魔法と呼ばれる技術の素養を多分に有しておりました。
あるとき、彼女の属する集落は伝染病に冒されます。
技術の発達していない時代のその猛威は凄まじく、瞬く間にその集落は壊滅の危機に。
もちろん彼女も死の淵に瀕していました。
彼女は考えます。
日々平穏に暮らしていた私達が何故こんな目に合わないといけないのか。
こんな理不尽なことが起きて良いのか。
どうせ死ぬのならこの災厄を全てこの身に集め、自分だけが負うことが出来ればいいのに。
そのとき原初の大魔法は発現しました。
世界中の陰が彼女へと集まります。
しかしそれは完全に少女の望みを叶えうる力ではありませんでした。人間一人が背負える陰を限界まで集めたところで所詮は世界の大勢に影響を与えるほどのことは出来なかったのです。
その結果彼女は後に魔女と呼ばれる存在となり、集落は没し、魔女となってしまった彼女はその集めたエネルギーゆえか死すことも出来ず。
長い時を病と飢えに苦しみ、やがて彼女は回復します。
見回せば死屍累々の村落に彼女は深く絶望し、旅立ちました。
しかし死んでいった者の顔はほんの少し、本来そうあるべきであった表情よりも穏やかだったかもしれません。
とこんな感じになるのでしょうか。脳内設定的には。
この後旅の道中に何があったかまでは考えてませんが子孫を残す要因足りうることがあったり、
力を自覚する場面があったり、
集まってしまった陰気の力を役立てようとして失敗したりとか、多分そんなことがあった。
そして次代の魔女へと力だけが受け継がれた。
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